風鈴

猫 サイエンス 哲学

2018-01-01から1年間の記事一覧

慣れ

誰かが離れていくことに対して慣れすぎてしまった。哀しいという気持ちはなく、「ああまたか」と思う。当然の作用のようにそれは起こりうるべくして起こったのだろう。 一貫して「去る人は追わない」というスタンスなんだけれど、私にとってのそれは相手の意…

35日前に書いて下書きに放り込んだ長文を今改めて読み返し、ゴミ箱に放り込んだ。 納得のいかない構成はどこをどれだけこねくり回しても佳いものに変化することはない。過去の経験が囁いてくる。それならいっそ、全てを壊して1からやり直そうと思った。焼き…

ないもの。

流れがよくないと感じる時がある。 石につまづくように、タンスの角に指を引っ掛けるように、人生のハードルが超えづらい日。 もちろん自分の言動の因果の先である場合もあるのだが、それだけでなく、河川のカーブ内側に生じる淀みの溜まり場、自分の力では…

機能

カーテン越しのまだいかほども光を含まない気配。 覚醒を待つ微睡みの中で脳が急速に回転を始める。夜明け直前。私はこの季節のこの時間帯を識っている。恐らくは、6時前後。スマホに手を伸ばし確認する。6時6分を示すデジタルがバックライトに白く浮かび…

返し刀

本を読む気にならなくて、車窓と景色の中間あたりを眺めている。焦点はどこにも合っていない。強いて言えば心中にフォーカスしている。自分の中から何一つ言葉が出てこないという時がそう少なくない頻度で訪れる。言葉は絵を描く事と似ている。曖昧に滲んだ…

他者性

もうすぐ髪を切る。 2012年あたりから伸ばし続け、毛先は時々揃える程度に切っていたけれど。 人生で今が最も長い。そして人生で2番目くらいの短さまで一気に切る予定。 ドネーションする。 この長さを洗うのもあと二回だけだと思うと、いつも以上に丁寧に…

積層

もう20年ちかく前に起きた出来事を、思い出した。振り返ってみれば私の人間関係はその出来事を基軸とし失敗を繰り返してきているように思える。PTSDとまではいかないけれど、心に深く刻まれたダメージを癒すことなく重ねてきた上書きが厚みを増しバウムクー…

波打ち際

ぽくぽくと年末年始をかけて書いていた年賀状をようやく投函した。添えるひとことが浮かばないひととお返事が毎年ない人の分はそろそろ減らしてもよいかもしれない、と考えている。 日曜日のゆうゆう窓口は長い列の先頭に立っていて、暖かな日射しを浴びて並…