風鈴

猫 サイエンス 哲学

慣れ

誰かが離れていくことに対して慣れすぎてしまった。哀しいという気持ちはなく、「ああまたか」と思う。当然の作用のようにそれは起こりうるべくして起こったのだろう。 一貫して「去る人は追わない」というスタンスなんだけれど、私にとってのそれは相手の意…

35日前に書いて下書きに放り込んだ長文を今改めて読み返し、ゴミ箱に放り込んだ。 納得のいかない構成はどこをどれだけこねくり回しても佳いものに変化することはない。過去の経験が囁いてくる。それならいっそ、全てを壊して1からやり直そうと思った。焼き…

ないもの。

流れがよくないと感じる時がある。 石につまづくように、タンスの角に指を引っ掛けるように、人生のハードルが超えづらい日。 もちろん自分の言動の因果の先である場合もあるのだが、それだけでなく、河川のカーブ内側に生じる淀みの溜まり場、自分の力では…

機能

カーテン越しのまだいかほども光を含まない気配。 覚醒を待つ微睡みの中で脳が急速に回転を始める。夜明け直前。私はこの季節のこの時間帯を識っている。恐らくは、6時前後。スマホに手を伸ばし確認する。6時6分を示すデジタルがバックライトに白く浮かび…

返し刀

本を読む気にならなくて、車窓と景色の中間あたりを眺めている。焦点はどこにも合っていない。強いて言えば心中にフォーカスしている。自分の中から何一つ言葉が出てこないという時がそう少なくない頻度で訪れる。言葉は絵を描く事と似ている。曖昧に滲んだ…

他者性

もうすぐ髪を切る。 2012年あたりから伸ばし続け、毛先は時々揃える程度に切っていたけれど。 人生で今が最も長い。そして人生で2番目くらいの短さまで一気に切る予定。 ドネーションする。 この長さを洗うのもあと二回だけだと思うと、いつも以上に丁寧に…

積層

もう20年ちかく前に起きた出来事を、思い出した。振り返ってみれば私の人間関係はその出来事を基軸とし失敗を繰り返してきているように思える。PTSDとまではいかないけれど、心に深く刻まれたダメージを癒すことなく重ねてきた上書きが厚みを増しバウムクー…

波打ち際

ぽくぽくと年末年始をかけて書いていた年賀状をようやく投函した。添えるひとことが浮かばないひととお返事が毎年ない人の分はそろそろ減らしてもよいかもしれない、と考えている。 日曜日のゆうゆう窓口は長い列の先頭に立っていて、暖かな日射しを浴びて並…

Have a great New year

年末。 大掃除を淡々とこなした。 物を棄てるのが苦手な性分だが、えいやとがんばって処分した。 誰も代わりに棄ててくれはしない。買ったからには、最後を決めるのも自分自身で。そういう責任の取り方をしたいなと思った。苦手なことを1つずつクリアしてゆ…

結び目

帰路。 午後半休にて仕事納め。 今年も、会社の近くにある小さなお稲荷さんに挨拶と本年の御礼を述べてきた。私は特定の信仰をもつわけではないが、アニミズムの要素を核にもっていることは自覚している。 精神とはなにか。 魂とはなにか。 これらの原理が論…

45分

残業で遅くなってしまったので、指定席特急の中で夕飯を食べながら帰宅する。パサついたコンビニのサンドイッチをホットコーヒーで流し込み、ひといき。 時間を金で買う。おおよそ45分間。 座るために電車を何本かやり過ごす時間、帰宅してから夕飯を食べる…

回転数

最近は手入れが必須で面倒な小物を増やすことにしている。短いスパンで買い替えるようなアイテムへの興味が薄れて来たのだと思う。昨日はよい靴を買った。オイルレザーのショートブーツ。 おろす前にブラシをかけてクリームを塗り、防水処置をした。待ちきれ…

一次発信

担当していた研究発表が終わり、一息つきながらの帰り道。比較的ましな時間に退社できたのでちょっと嬉しい(こういうときは大概電車が止まるので時々ジョルダンライブを眺めている・・・)。 気がついたら、Twitterのタイムラインを眺めていてもあまり楽しく…

世界思考

過去の研究成果を踏まえた上に新しい発見や知見が生まれてくることを考えると、個人だけでなく世界全体で思考しているのだなあとしみじみ思う。我々は知覚し思考するひとつひとつの細胞で、社会でそれらがネットワークされ、世界というひとつの脳として更に…

マニュアル

丁寧にひとつひとつの景色を解きほぐし記憶すれば、もう少し焦点が合った生き方ができるだろうか。 誰かの言葉、与えてくれた感情、この身に起こった出来事。解像度を上げて感情と共に刻み込み、写真のように記憶したい。 私の目は外側に向いていない。過去…

虚栄心

あなたもきっとこれが好きだと思う、と言いながら差し出せる相手、私にとってはあまり数多くない。その行為は理解と安心に裏打ちされた関係性の上に初めて成立する。 大抵は何も言わずにそこに置いておき、選んでもよい、選ばなくてもよいという情報と状況だ…

我欲の罠

思い返せば、これまで去る者は追わないという行動が、リアルでもTwitterでも、自分がとってきた唯一の選択だった。 「縁を切る」というその人の意思決定を尊重する気持ちもあるし、私自身の自尊意識もある。あとは何より、追いかけるほどに去られたことに対…

埋める

静かに命を命に変えてゆくカラスを見た。明け方の街。 カラスが鳴き声で仲間を喚ぶというのは本当なんだなと思ったりした。何故か今日いちにちを通して、死のテーマが話題にのぼることが多い。 相互連関のない関係の死は無に近いのにコンテンツにしてしまえ…

拡げつつ閉じるということ。

彩度の低い朝。 ここ2日ばかりは街が美しく色づいて見えたので、明け方の金星を思い出しながらのそのそと起き出してみた。 猫の耳に薬を滴下する。 膝の上で円くなった猫は、尻尾の毛繕いをはみ出して私の脚も少しだけ舐めてしまう。ざらざらり。 糸状乳頭…

濁流

布石を打った訳でもなく単なる僥倖に過ぎないのだけれど、物事がうまいこと作用したなと思える出来事があった。おかげでこの場所を静かに保つことができる。 過去に置いてきた言葉は確かに私の内側から産まれたものだけれど、それは成長の記録を綴じたアルバ…

ニュアンス

リズミカルに生活している。 4時半起床、7時出社、残業の長短を帰宅後の自由時間で緩衝し、22時半から23時の間に就寝する。 トントン、ターン。トントン、ターン。 まな板を叩くように平日の人生を刻んでいる。 よほどメンタルを崩さない限り、リズムはそれ…

真似

他の人の魅力的だと感じる言動や考え方を意識的に真似てみてる。最初は真似でも、それはいつか本物になる。目が合ったら微笑むこと。少しずつだけど、できるようになってきたように思う。 Twitterで見かけた、「嫌いな人に対して平等に接するよりも、好きな…

描く

遅寝の末に早起きしたせいで、目が覚めても覚めきらない休日の朝。布団から出ないための言い訳に、猫たちを呼び寄せてぬくぬくと過ごす。 雨音とのどが転がり鳴らされる音のセッション。 Twitterは発言で自画像を描くようなものだと感じている。発言のひとつ…

雨予報

気まぐれに、いつもと違う路線を使って帰宅している。 聞き慣れない電車の駆動音、乗り降り間違えないよう、指先まで走る緊張の痺れ。 金曜日の夜に残業までしてくたくたなのに、なぜわざわざ冒険なんてしているんだろう。いや、くたくただから、なのかもし…

ダウングレード

音が消えるほどの集中と熱狂を求めている。 心の裡の熱と表層に顕れる平穏との非相関。 失いたくないのなら初めから何ももたなければよいのにと考えながらも、この思いが逆接の形をとることで答えは既にそこに出ている。— なつき㌠ (@natsukissweet) 2017年1…

フレームアウト

夜の終わりが近づいてくると、街路樹の雀か椋鳥がヂュルヂュルと啼き始め、ある時を境に一斉に飛び立ってゆく。 ここ最近は日の出が少しずつ遅くなってきて、しんと静まり返った街路樹の脇を通り抜けることが増えてきた。あと数十分後には眠りから覚め、また…

tranquil

理由を説明できない感情に名前をつけるのが下手なんだ。@note 他人の文章に嫉妬したことはないけれど、憧憬は抱く。こんな風に世界を感じられたら。感じられたらいいのに。— なつき㌠ (@natsukissweet) 2017年9月22日 文章書きを志していたとしたら、嫉妬も…

昨日、会社で歯磨き中に「おはよう」と声を掛けられて「もごもご(おはようございます)」と返事をしたらその人がこちらを振り返って目が合って、そしてふふっと笑われた。そういうのに救われるんだ。 起こるできごとその全てを記憶する事は叶わないけれど、瞬…

ケルビン・ヘルムホルツ不安定性

まともであろうとする、という状態は既に狂気の端に呑み込まれているような気がしている。 光の中にいる間は闇がなければ光が存在しないということを忘れてしまうのと同様に、まともさは失われた時に初めて感じられるもののように思う。 明け方、ケルビン・…

プリズムシート

今年もつくば高エネルギー加速器研究機構(KEK)の一般公開に参加してきました。 毎年9月の第一日曜日が公開日なのですが、今年は気持ちのよい秋晴れに恵まれ、KEKの広大な敷地内をお散歩しつつ色々な加速器をみて回りました!と言いたいところだけど、到着し…